東京国立博物館に行ってきました。上野公園は10年ぶりです。展覧会は平成館という初めてみる、ガラスで覆われた近代建築です。周りの建物は、中国の故宮風であったり、ヴァチカン宮風、帝国ホテル風(ライト風)の荘厳なものばかりです。
2010年は、等伯没後400年の節目の年です。この記念すべき年に、国内に存在するほぼすべての等伯の作品を、一挙に公開する史上最大規模の大回顧展だそうです。能登に生まれ、京都で花開き、江戸で亡くなるまで、墨絵、金箔画を天井画、屏風、襖、掛け軸など、教科書、新聞で一度は何かしら目にしたことはあるかもしれませんが、生涯でこんなにも膨大な作品を描いたとは驚きです。
昨日は鳩山総理がご覧になったそうで、連休最後の最終日、40分待ちでした。
日曜日、荏原の料理屋、秀にて浄瑠璃、一中節を聴きに行って参りました。私に古典の造詣が深いわけでなく、一中節都派宗家家元十二代目都一中、またの名を文字蔵、またの名を藤堂君といって、私の中学校の同級生の縁で、友人が誘ってくれたのです。ご尊父は人間国宝だそうです。写真で見たとおり本人もいづれはそうなるに違いありません堂々たる貫禄です。
独身と婚約中の二人のアメリカ娘?とアーティストのバルセロナ男との三角関係に、手のつけられない元妻が戻ってきて刃傷沙汰になるロマンス映画と書くと、アダルトものみたいだけど、実にさらっと流して、コメディ風に楽しく観ることが出来ました。
もてるスペイン男にノーカントリー」の凶暴な殺し屋、ハビエル・バルデムがすっかりイメチェンして、セクシーで女にだらしない?絵描きです。母校の先輩「荒木一郎」が「空に星があるかぎり」でブレイクしていた頃のモテ男ぶりです。昔からアーティストはモテるという原則は世界共通の普遍です。
ブーリン家の姉妹、ウディアレンの映画でタロットカード以来のスカーレットヨハンソンが、またまた妹的キャラで、周りを引き立てますが結局主役です。「アイランド」のSFから時代劇まで何でもこなす、使い減らない名女優だと思います。
ところでタイトルの「それでも」ってなんだ?まあ原題もあっさりしてますけど。
本日3月15日は雀の森氷川神社の初午祭です。境内にも小さいながら稲荷神社があります。初午は、その年の衣食の豊作祈願が原型で、それに稲荷信仰が結びついたものです。
日本中、町中にお稲荷さんが多いのは、次のような理由らしいです。
田沼意次は、吉宗(紀州藩)の小姓から、家督を継いでからは出世街道を走った。安永元(1772)年には、老中までとなる。石高も加増を繰り返し、5万7千石の大名までとなった。これまでの出世は、稲荷信仰に篤かったこともあり邸内に稲荷をまつっていたことだという話が武家界隈でブレークした。このことから、武家の宅内に小祠を建て祭祀するところも多くなった。のちとなり、出世のみならず開運・商売繁盛などのご利益ということからも商人などの町人の宅地でも祀られるようになったそうな。
本来は立春過ぎの最初の午の日が当日なのですが、川越の私の地域では、お盆なども月遅れといって、3月に行います。お稲荷さんというと狐がつき物ですが、狐は神様の使いであり、神様本人?ではありません。
サンタクロースのトナカイみたいなものでしょうか?油揚げや、稲荷寿しはヴァレンタインのチョコレートみたいなものかも?
一昨年映画館で観た、キングダムを昨日C/Sでやっていました。舞台はサウジアラビアですが、自爆テロの捜査に、本来なら国際法違反のFBIの4人の捜査官が、イスラムテロリストの首謀者を突き止め、とりあえず解決するストーリーです。ハートロッカーはアカデミー賞を取ったくらいすばらしい映画ですが、私はこっちのほうがメッセージ性では勝ってるのではないかと思います。ちなみにキングダムとはサウジにの5000人もいる石油成金といっては失礼ですが、超金持ちの首長(キング)連合国です。
「報復の連鎖」という、イスラム対連合軍(日本も含まれます)の終わりなき戦い。征服する国とされる国、それぞれ自分のほうが正しいと思っている国、民族は永遠に相容れることなく、戦争は無くならないと悲観的にならざるを得ません。どちらも画面に引き込まれる疲れる映画でした。
それから、 主役のジェイミーフォックスとジェニファーガーナー、ともにヴァレンタインデーに出ていました。
日本語タイトルを見たときはハートロッカー、心優しく、ヒール的なハードロッカーの映画と思いました。
hurt locker 傷つけられた?鍵付収納庫でした。イラクのバグダット、ブラボー中隊の、ハンビーで移動する3人組の爆弾処理斑の日常を日記調で表現します。任期は365日。毎日町中に仕掛けられた爆弾を外科手術のように処理したり、砂漠で銃撃戦をしたり、敵の追跡、警察並みの犯罪捜査まで、気の休まる間もなく、次々難問が飛び込んできます。きっと高給、スリル、賞賛、アドレナリン、死ななければ、むしろ毎日味わえる高揚感に心が躍り、たまに帰国して家に帰っても、愛とか、物質の過剰な豊かさなど、つまらなくて、またデルタ中隊に志願してしまいます。
最近話題になった、外傷性脳損傷(TBI)は25m以内で爆弾が破裂すると、破片に当たれば即死しますが、50m以内で見た目無事でも、ヘルメットの中でも爆風の衝撃波(秒速340m以上)が、脳組織を破壊するようです。劣化ウラン、ボール爆弾、地雷とか難民、戦争が終わっても当事国は楽になれません。
戦争映画の新しい切り口とも思えませんが、本日発表のアカデミー賞でどのような表彰があるでしょう?
一月号のナショナルジオグラフィックに富士山特集が載っています。中でも池澤夏樹氏のエッセイ「スターとの正しい付き合いかた」が秀逸でした。要約を。
富士山は幸運続きの山だ。ほぼ完全なシンメトリーで、誰でも図形化出来る。東海道に面して多くの人の目に触れ、周囲に邪魔になる山がない独立峰である。日本で二番目、三番目の山はアルプス山脈の中で、比較することが出来ない。また、日本の中央に位置しどこからもよく見えるので無意識に日本国の象徴として受けいられている。
遠いところから、このスターが他のスター(広がる空であり、雲の変化、山を包む光)と戯れるのを憧れの視線で見る富士山は、上から降る光とからみあって無数の変貌を一日の中で、一年の季節の巡りの中で見せてくれる、日本列島でもっとも豪奢な風景劇場である。富士山は人間の見ていることを意識していない。そこのところが正にスターなのだ。
私たちは富士山が見えると何故か幸運だなと思ったりします。私も頂上まで一度は登ってみたいと思います。
原題はcomplicated(複雑)なのになぜか「恋するベーカリー」見ました。タイトルだけだと「幸せのレシピ」とか「ウエイトレス~おいしい人生のつくりかた」みたいに、夢のある恋愛ものかと思ったら、メリルストリープはすでに成功したオーナーで、実技抜き?でマンマミーアの肝っ玉母さんみたいに店を切り盛りしていくのかと思いました。まあ、確かに見た目はふっくら系ですが。
元夫役のアレックボールドウインも太っていて、会えばすぐに、のべつ幕なしセックスして、青春恋愛小説が、今では中年同士の恋愛小説が映画になる時代ですね。下ネタばっかり、深酒はする、マリファナは吸うし、セックスは週に数回って、60過ぎの日本人のモラルと体力では、映画化不可能そうです。でも、配役はうまい。スタイルいい俳優では笑って観ていられないかも。また、シャーロットランプリングでは、本当に脱いじゃうと思うし。やってることはインモラルですが、こんな映画みたいな人生にあこがれる今日この頃です。