Dr.パルナサスの鏡

 テリー・.グリアム監督の「DR・パルナサスの鏡」、鏡というか、鏡面カーテンです。原題はimaginariumです。現代のロンドンに、中世の見世物小屋みたいな、馬で牽引する移動舞台で、客を誘って、鏡の裏に引き込みます。鏡の裏には、客のどんな欲望も満たす、別次元の幻想の世界が広がっていて、満足を得て、現世に戻ることが出来ます。DR.パルナサスは悪魔との、賭け?に負けて1000年も生きていますが、それは死ぬことが出来ないだけで、喜んでいるわけではありません。そのシチュエーションだけでも不条理なのに、アジア人と比較して、ヨーロッパ人(白人)の体型、匂い(空気)の濃密さ、色彩感などに圧倒されます。舞台背景というのか、大道具が、水のきらめきが印象派の絵画のようであったり、突如として出現する物体がダリの抽象画のようであったり、美しいリリー.コールが天女?天使のように舞う、ミケランジェロの天井画のように、他にも現実的でない映像美がお腹いっぱいに味濃く、油っぽく映し出されます。それにしても,ジョニーデップが出てくるだけで、映画が現実感がなくなり、オペラや歌舞伎の舞台を見ているような、嘘っぽさ、いかがわしさ面白いです。この表現は難しいので次回に。

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2024年4月

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