八日目の蝉

338475view006.jpg                 角田光代の原作が映画でリメイクされました。古典芸能にあるところの、「子別れ物」でしょうか。愛人との子供を失った永作博美は、不倫相手家族の幼児を誘拐し4年間育てる。警察によって捕まり、実親に戻された井上真央は成人になり、同じように不倫相手との子供を宿す。永作博美は全てを失い、空っぽだと思っているが、井上真央も同じ道を辿るのか?同じ道というのが蝉の一生=七日なのか?小池栄子とともに、自分の育った軌跡を辿るうちに、ついに小豆島で一日長生き出来た=八日目に実母、育ての母にあまりにも愛され、しかし愛に囚われた悲しみから、自分を開放できた物語かなと思いました。
 原作と同じ進行をしていって、ラストになり、ちょっと「悪人」ぽい邂逅があって、しかし映画のほうが救いが感じられ暖かい脚本でした。
 解説に池澤夏樹氏の文章が読めたのは幸せでした。

管理者用

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

月別 アーカイブ